2026/01/18 20:55

2.3 多様な占術分野への対応力

本データベースの最大の特徴は、特定の流派や占術に限定されない汎用性にあります。九星と干支という2つの要素は、東洋占術の基盤として極めて広範な分野で活用されています。それぞれの占術や流派が求める情報は異なりますが、本データベースはそのすべてに対応できる包括性を持っています。

2.3.1 四柱推命における時間干支の必須性

四柱推命は、生年月日時の4つの柱から命式を作成し、個人の宿命と運勢を読み解く占術です。この4つの柱とは、年柱・月柱・日柱・時柱を指します。このうち時柱は、出生時刻を2時間単位の12時間帯に分類し、その時間帯の干支で表現されます。

時柱の算出には「五鼠遁(ごそとん)」と呼ばれる複雑な規則があります。日柱の日干によって、各時間帯の時干が異なる体系です。例えば、日干が甲または己の日は、子の刻(23-01時)の時干が甲となり、以降順に乙・丙・丁と続きます。日干が乙または庚の日は、子の刻の時干が丙から始まります。

2-4:五鼠遁の法則(日干別の時干起点)

日干

子の刻(23-01時)の時干

規則名

甲・己

甲己日甲子時

乙・庚

乙庚日丙子時

丙・辛

丙辛日戊子時

丁・壬

丁壬日庚子時

戊・癸

戊癸日壬子時

この規則を正確に適用するには、まず日柱を確定し、その日干を特定し、さらに出生時刻が12時間帯のどこに該当するかを判断する必要があります。手計算では多段階の照合が必要となり、初学者にとっては誤りやすい部分です。

市販の万年暦の大半は、日柱までしか掲載していません。時柱は利用者が自力で算出することを前提としています。これは、時柱を全日付・全時間帯分収録すると、データ量が膨大になるためです。60年分の万年暦であれば、約21,900日分のデータとなりますが、時柱まで含めると21,900×12時間帯=262,800個の干支データが必要になります。印刷物としての書籍では、このボリュームを収めることは現実的ではありません。

しかし本データベースは、デジタルデータとして提供されるため、この制約がありません。73,049×12時間帯=876,588個の時間干支を完全収録しています。四柱推命の実務家にとって、これは計算ミスのリスクを完全に排除し、鑑定作業を大幅に効率化する決定的な利点となります。

2-5:時間干支収録の実例(202411日:日干支=甲子)

時間帯

時支

時干支

干支インデックス

五行組合せ

23-01

甲子

0

木・水

01-03

乙丑

1

木・土

03-05

丙寅

2

火・木

05-07

丁卯

3

火・木

07-09

戊辰

4

土・土

09-11

己巳

5

土・火

11-13

庚午

6

金・火

13-15

辛未

7

金・土

15-17

壬申

8

水・金

17-19

癸酉

9

水・金

19-21

甲戌

10

木・土

21-23

乙亥

11

木・水

この表が示すように、同じ日でも時間帯によって五行のバランスは大きく変化します。四柱推命では、年柱・月柱・日柱・時柱の4本の柱が持つ五行バランスを総合的に分析することで、その人の先天的な性質や運勢の流れを読み解きます。時柱が欠けた状態での鑑定は、4分の1の情報を失った状態に等しく、精度が著しく低下します。

さらに、四柱推命では過去の歴史上の人物や、未来に生まれる子供の命式を作成することがあります。例えば、織田信長(1534年生まれ)や坂本龍馬(1836年生まれ)の命式を検証する歴史研究、あるいは2050年生まれの子供の命式を予測する未来予測などです。このような場合、現代から大きく離れた時代の干支情報が必要となりますが、市販の暦では対応できません。本データベースは1866年から2065年までをカバーしているため、明治維新前の歴史的人物から、未来40年先の子供まで、すべての命式作成に対応できます。

2.3.2 九星気学各流派への対応

九星気学には、望月流・村山流・園田流など、複数の流派が存在します。これらの流派は、基本的な九星の考え方を共有しながらも、判断の重点や解釈の細部において独自の特徴を持っています。しかし、すべての流派に共通して必要なのが、正確な日家九星のデータです。

望月流九星気学は、日本で最も広く普及している流派の一つです。日々の九星を基準として、方位の吉凶や日取りの選定を行います。特に、引っ越しや旅行の方位判断においては、出発日の九星が決定的に重要となります。間違った九星を参照すれば、吉方位が凶方位になってしまう可能性があります。

村山流は、年盤・月盤・日盤の重ね合わせによる精密な方位判断を特徴とします。この場合も、日盤の基準となる日家九星が正確でなければ、すべての判断が狂います。また、村山流では過去の出来事を九星で検証する「後追い分析」も重視されるため、長期間にわたる九星データが必要です。

園田流や他の流派においても、日家九星は判断の出発点です。流派によって解釈や応用法は異なりますが、データそのものはすべての流派で共通です。本データベースは、特定の流派に偏らない純粋な九星データを提供するため、どの流派の実務家でも活用できます。

2-6:九星気学主要流派とデータベースの対応関係

流派名

特徴

必要なデータ

本データベースの対応

望月流

日取り・方位の実用重視

日家九星・干支

 200年分完全対応

村山流

年月日盤の重ね合わせ

日家九星・陽遁陰遁情報

 変遁情報も収録

園田流

象意解釈の体系化

日家九星・五行情報

 干支から五行参照可

気学研究会系

学術的検証重視

長期間の九星データ

 200年の歴史的スケール

独自研究者

統計分析・新理論開発

大量データ・Excel対応

 CSV形式で自由分析可

この表が示すように、流派によって重視するポイントは異なりますが、本データベースはすべての流派の基礎ニーズを満たす設計になっています。特に重要なのは、陽遁・陰遁の切り替わり日が「Event」列に明記されている点です。これにより、九星の算出根拠を確認でき、他の暦や書籍との照合も容易になります。